2023.05.03 我花集(わかしゅう)~謳花 アキタのドライフラワー雑記~
我花集(わかしゅう)~謳花 アキタのドライフラワー雑記~ vol.2:ドライフラワー制作記録①
【前書き】
こんにちは。謳花のアキタです。
今回の 我花集(わかしゅう)~謳花 アキタのドライフラワー雑記~ はアキタが撮りためたドライフラワー写真の一部をブログで公開してみようと思います。
面白い形状でドライフラワーになったもの、形や色味の変化が著しいものなど…生花の時をビフォーとして、ドライフラワー加工後をアフターで比べてみると様々な発見があるものです。
それでは本編へどうぞ!
【王道編】
・クリスマスローズ
生花
ドライフラワー
【王道編】の一つ目はクリスマスローズです。
冬から春先までの長いシーズンで楽しめるクリスマスローズは、ドライフラワーでも定番花材です。
今回は茎がしっかりとしているものを選び、ドライフラワーにしましたが、ドライにすると茎がかなり細くなってしまいました。
生花の時から花の頭が重くて垂れさがることが多いクリスマスローズは、逆さ吊りにして乾かす関係でシャキッと上向きになるのですが、生花の時の花弁の開き具合が閉じるので、クシャクシャっと丸まった形状になります。
生花の時は、メインの花材としても使うことが多いですが、ドライの場合はメインのバラ等に添える副花材のポジションでアレンジに加えると良いかなと個人的に思います。
【王道編②】
・少し変わった咲き方のバラ
生花
ドライフラワー
生花
ドライフラワー
どちらも少し変わった咲き方のバラ2種類。
1種類目はクォーターロゼット咲き(平らに放射状に開いたバラの形状をロゼット咲き、中でも芯から4つ以上分かれているものがクォーターロゼット)のバラです。
ドライにすると花弁が波打ってグラデーションが綺麗にでていますね。形もしっかりと残りやすいのでブーケにも、バスケット等のアレンジメントにも主役になること間違いなし花材です。
2種類目はこちらも変わり咲きのバラ。
こちらは、やぎバラ育苗農園さんの「ラロック」という品種のバラです。
奇抜な形状ながら目を惹くこのバラ…個人的にとても好きな品種で市場等で見かけるとつい手に取ってしまいます。
ドライフラワーにすると、生花の時の形状は崩れやすく、イビツになってしまいがちではありますが一見すると、バラに見えないので、変わり種が好きな方は気になるのでは?
ギュッと中央に詰まるので、見た目よりも頑丈でしっかりとしていますので、大きなアレンジメントに入れても壊れずに使用できる花材です。
今回このラロックは咲き終わりころのタイミングでドライフラワーに加工したことで少し潰れた印象になりました。
形を残したい場合は、乾燥させる前に手で形状を整えたり、ワイヤーで形状を固定しておくなどをしておくと、咲き方がより伝わるかもしれません。
【気になってやってみた 色味編】
・ラナンキュラス
生花
ドライフラワー
ラナンキュラスというと、様々な種類や色があり、ドライフラワーにしてみると変化が楽しめる花材の一つです。
今回はこのなんとも言えないグリーン×ピンクのグラデーションのラナンキュラス。
一目見た時からこれはドライになると色味はどうなるのだろうか?と気になって試してみたところ、色の頃はほぼそのまま、形状も崩れることなく安定してドライになりました。
ラナンキュラスは花弁が薄いので、ドライにすると和紙のように薄く色味も透けてしまうほど繊細なものが多いですが、これはバラと見間違えるほどに色味が定着しました。
まだ咲ききっていない状態でドライ加工したのが良かったのでしょうか。
あまり早くにドライ加工して乾燥させると、中央の水分が抜け切れるずにポロっととれてしまうこともあるので、咲き頃の見極めが大切です。
【気になってやってみた 色味編②】
・チューリップ
生花
ドライフラワー
生花
ドライフラワー
チューリップというと、個人的にドライフラワーにしにくい花材で上位に名前があがる花材かと思っています。
というのも、自然乾燥では花弁が散りやすいので、水分が抜ける過程でバラバラと落ちてしまうからです。
余談ですが、チューリップの花弁の中には、実はガク(花弁の下の付け根部分)が混じっているんです。
チューリップがツボミの時はガクなのですが、花を咲かせるまでの保護の役目を終えると、花びらの様に色づいて花びらと同化するのです。
なので、ドライに加工した際に花弁が散りやすいのはガクが花弁を保護してくれないため、根元からポロっと落ちてしまうのです。
今回は乾燥機を使って乾かしましたので、2種類とも形状もしっかり残っていますが、とても繊細。
生花の時の艶やかなツヤは無くなりますが、濃くなった色味とシックな佇まいがなんとも言えません。
茎が弱く、自立させるのは難しいのでワイヤーで固定すると使いやすく、下向きに適しているのでスワッグに混ぜるものオススメです。
【気になってやってみた 形状編】
・シンビジューム
生花
ドライフラワー
シンビジュームは東南アジアから日本のかけて自生する原種を交雑育種してできた洋ランです。
水分をしっかりとため込んだシンビジュームは水分を抜くのがとても大変。どうしてこういう色味になっているかと言うと…乾燥機にかけても水分が抜けきらずにいるので、乾燥時間が長くなり、色味が全て飛びきってからようやく乾いてくる、というような具合です。
以前に胡蝶蘭を引き取って、装花した(こちらの記事にて載せてます)こともあるのですが、茎はワイヤーで固定して長い時間かけて自然乾燥させた方が形状は残りやすいかもしれません。
花は乾燥機ではなくて、シリカゲルにて形状記憶したまま乾燥させることで色味を残したまま乾燥させられるかと思います。
【気になってやってみた 形状編②】
巨大ラナンキュラス
生花
ドライフラワー
とても大きなラナンキュラス。
大型な品種のラナンキュラスで、大きさは手ひらサイズなので20cmほど。
前述の【気になってやってみた 色味編】のラナンキュラスと比べると、約1.5倍くらいのサイズ感です。
このサイズのラナンキュラスはドライにするとどれくらい縮むのか?を試してみたくて、ドライ加工したところ、1/3ほどに縮みました。
やはり水分が抜けて行く過程で中央に凝縮していくため、単純に小さくなるのではなく密度が高くなった、という印象です。
淡い黄色みのあるクリームカラーは白よりも強くでるため、色味も黄色くなって、ほぼ別物のような結果となりました。
縮んだところだけみると、小さく見えますが、ドライフラワー花材としてみてみるとこのサイズ自体は大きいものになるため、大型のブーケに入れると存在感バツグンの花材として活用できそうです。
【制作後記】
今回は、カテゴリに分けて、7種類をとりあげてみました。
いかがだったでしょうか。
こんな乾き方するんだ、色味が変化するんだ、とドライフラワーとして活用する際の参考になれば幸いです。
まだまだビフォー・アフターにて撮りためた写真がありますので、これから続編としてブログにて考察していこうと思います。
また、アキタのinstagramアカウントにて、日々のドライフラワーの活用などを載せています。
よろしければこちらもご覧ください。
instagramアカウント : @akita_gen
今回はここまで。
それでは、また次回の調査でお会いしましょう。
ありがとうございました。
謳花/装花士 アキタ